レイダリオのオールシーズンポートフォリオはコロナ渦でどう動いたか?

オールシーズンポートフォリオ運用成績 投資・お金の話

レイダリオのオールシーズンポートフォリオとは?

今とはなってはかなり有名なポートフォリオなのでここでは概要だけ説明します。
気になる方は「オールシーズンポートフォリオ」で検索しましょう。

オールシーズンポートフォリオとは、ヘッジファンドの帝王といわれるレイダリオが、景気局面に関わらず安心して運用できるポートフォリオとして、「世界のエリート投資家は何を考えているのか?(原題:MONEY MASTER THE GAME)」の中で紹介した債権の比率が高いポートフォリオです。

以下の図の通り、株式(S&P500などのインデックスを利用)、中期米国債、長期米国債、金、商品により構成されています。

レイダリオのオールシーズンポートフォリオ

実際にETFを使ってポートフォリオを組むとしたら以下のような感じになります。

株式VOO(バンガード S&P500 ETF)
中期米国債IEF(iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF)
長期米国債TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)
IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)
商品GSG(iシェアーズ・S&P・GSCI・コモディティ・インデックスト・トラスト)

株式はVOOの代わりにSPY、VTI、VT、金はIAUの代わりにGLD、GLDMなどでも良いと思います。

ともぞう
ともぞう

よく初心者向けの本にインデックス(VTやVOO)をドルコスト平均法でひたすら積み立てるということを書いてるけど、リーマンショックやコロナショック時の急激な下落局面で売らずに平常通り購入できる人は初心者には少ないと思う。

初心者にこそオールシーズンポートフォリオのようにリスク(標準偏差)が小さくシャープレシオが高いポートフォリオをおすすめします!

オールシーズンポートフォリオの長期運用成績

ポートフォリオで用いたETFは以下の表の通り。リーマンショック時の下落率も見るためにVOOではなく同じS&P500のインデックスETFであるSPYを用いてシミュ―レーションを実施。
ポートフォリオのリバランスは年1回としました。

運用結果は、2007年から2020年の平均利回りは7.3%で、最も良い年は18.74%、最も悪い年は3.46%の下落、最も下落した期間はリーマンショック時の2009年の1月から2月で12.54%の下落でした。
右端のUS Mkt Correlationは米国株との相関で、0.42と低いことから株式市場に左右されにくいことが分かります。

以下が、各年度の利回りになります。
マイナスとなったのは2015年と2018年の2度だけ。
2020年も10月までの結果ですが、8.49%と良い結果です。

コロナ渦でもしっかり機能 +8.49%、シャープレシオが高い!

長期で安定しているのは分かったけど、コロナ渦ではどうだったのか?
以下の図は2020年1月を1万ドルとしたときの月ごとの資産推移のシミュレーションになります。

ポートフォリオ1(青色)がオールシーズンポートフォリオです。
バンガードのS&P500インデックス(赤色)を比較対象として表示してます。

2020年1月-11月のオールシーズンポートフォリオの運用成績

S&P500は2月から4月で急激に下がっているのに対し、オールシーズンポートフォリオはコロナショック時にまさかのプラス!

ともぞう
ともぞう

私もオールシーズンポートフォリオを参考にしたポートフォリオを運用してますが、2月、3月の安心感が半端なかった!
他のポートフォリオはジェットコースターな日々で精神ズタボロでした・・・

さらに詳しく各ETFの動きを見ていきましょう。

各ETFの2020年の月次増減率

債権のTLT、IEFが2月、3月のコロナショック時に大きく上がっており、SPYの暴落から守ってくれています。TLTとIEFでポートフォリオの55%を占めており、SPYの30%と比べ大きいため、S&P500が12%以上下落した3月でも1.74%しか下落していません。

以下は、各資産ごとの損益の状況です。
商品はコロナのおかげでモノの流れが停滞し、特に原油の下げがきついため-35.97%と悲惨な状況です。
金は「有事の金」の格言通り、通年で見ると23.38%と大きく上げていますが、コロナショック時2月、3月は-0.66%、0%となっています。

2020年1月-10月の各ETFの運用成績

株(SPY)が-19.43%の下げに対し、商品(GSG)は-47.69%も最大で下げてたんですねー。

GSGはS&P SGCI Total Rerurn Index(各種商品の価格に対し、生産量に応じてウエイトが付けられている)に連動しており、ポートフォリオの半分が原油のため、恐ろしいほど下げてます。

中期米国債(IEF)は、標準偏差(Stdev)が6.24%と小さく、相関係数も-0.59と超優秀。
金は株式と正の相関だけど、+23.38%と株式の+2.94%と比べ、いい仕事してます。

ともぞう
ともぞう

原油は先物がマイナス価格になったのも記憶に新しいところだし、今後も脱カーボンの流れは変わらないと思うので、商品ETFをポートフォリオに入れるかは要検討ですね。REIT、ビットコインなどを検討してもよさそう。

レイダリオのオールシーズンポートフォリオのまとめ

  • コロナショック時の2月、3月もプラスでしっかりと機能していた。
  • 2020年1月~10月で8.49%のプラス
  • 債権が株式に対して逆相関となり、株の下落を補った。
  • 商品ETFは-35.97%(一時期-47.69%)と大きな下落。脱カーボンの流れが続くことを考えると別の資産、割合の減少なども考慮すべきと考えます。
  • 金は「有事の金」の格言通りで+23.38%。

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